2009年1月4日日曜日

現代の虚無僧


<熊野古道の白土虚皓>

薬王寺は寒かった。

まだ1月の3日というのに、窓は全開。
暖をとるといえば、コタツのみであった。
多少は違うかと思い、障子を閉めてはみたが、室内より外の方が温かだった。

なまぬるい生活をしている我が身には、時間と共に寒が凍みてどうしようもなかった。
我々の服装といえば完全防寒着だったのだが、住職の白土さんは極めて薄着だった。
普段も着物や袴に、上に軽くなにかを羽織っているような姿だ。
いつも常人を超越しているな〜と感心している。

以前、佐賀の我が家に、何度か泊まってもらった事がある。
白土さんは、いつも朝は4時に起きて近くを散策がてら、竹を吹いていらした。
朝食時も竹、寝ても覚めても竹、竹、竹、竹談義だった。
��さすがの私も朝の5時から竹の話をした事はなかった)
そして暫くしたら、一宿一飯のお礼の丁重な葉書が届いた。

20代で日本中を虚無僧行脚したいた時も、天蓋、偈箱、袈裟は自作。
足も草鞋(わらじ)を作り、それで通したという。
藁編みではすぐに駄目になるので、ナイロンロープで編んだものを使っていた聞いた。
後に全国行脚した知人の坊主に話たら、たいそう驚いていた。

まだ30代の若さだが、ケイタイと電話、テレビ以外は現代文明から切り離されている生活をおくっている。
風呂も五右衛門風呂、なんでもローテクの生活だ。
今ではこの寺にも、外国から人が訪れて修行して行くのだから凄い。

そんな白土さんの虚鐸の音色は、心に沁み入る良い音色である。
薬王寺から帰って少し風邪を引いたのだが、一緒に行ったYさんは大丈夫だったのだろうか?

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